オレステス

2006年9月23日 演劇
作 :エウリピデス
演出:蜷川幸雄
出演:藤原竜也、中嶋朋子、北村有起哉、吉田鋼太郎、香寿たつき、横田栄司、田村真、前川遙子、寺泉憲、瑳川哲朗

ほんのりネタバレ含んでいます。
お読みになる方はご注意ください。

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凄かった。

事前に難しいという話を聞いていたので、ネット上で拾える情報を少し読んで行ったり早めに劇場に行ってパンフを買って始まる前に読んだりしたので、割とついていけたかも。
でもねぇ、やっぱりギリシャ悲劇。
共感できるものではありませんな。
神に対する感覚とか、理解できるもんじゃないし。
もちろん何年経ったって人間の変わらない部分ってのもあるのだろうけどね。

なので、ストーリーはさておき、って感じで役者陣に魅せられました。

長セリフの多いこと、多いこと。
それだけでもすげー。

しかも、あの雨の演出。何もそんなに降らせなくても、っていうくらいの(^^;)
演出が凄いんじゃなくて、(いや凄いんだけど)、その中であのお芝居をやり通した役者陣が凄いと思う。ホントに。

藤原氏。
最初は自分のやったことを悔いて苦悩していたのに、後半は自分のやったことは確かに悪いことだけど、でもいいことでもあるんだ、と言い始める。
その辺の変化、人間の醜さっていうか強かさ、えげつなさ?見事。

中嶋さん。
幸薄そうな感じがはまっていたなぁ。
終始ものっすごいパワフルで。
圧倒された。

北村さん。私のお目当て(笑)
オレステス、エレクトラ、ピュラデスの3人でアガメムノンに祈るシーンで、ゆっきーにぞくっとした。
その前まではね、私はそんなにぐっときてなかったんだけど。役柄にも、演技にも。
このシーンでもう、やられた。
うわっ、かっけぇ、みたいな。

ゆっき―って、ああいうマルっとした声、出るんだねぇ。
私はまだ数えるほどしかゆっきー作品を見てないから(しかもDVD含む)知らなかったよ。
ゆっきーの声と言うと、とがり気味でややささくれだった感じが一番前に来ていて、その後ろにどっしりとしたものがある、って思っていたのだけど、あんなにまるっとした声が出るとは。すごいね。
あ、あと長髪にはびっくり。
2回目のカーテンコールの時、握り拳を両隣の中嶋さんと香寿さんにコツッって当てていて。そしてステージから見えなくなる直前にも拳をぐってしてて。
彼の中で良く出来たのかな。
だとしたら、その公演を見れて嬉しい。

ぞくっとしたのがもう1つあって、それはコロス。
演技とかセリフとかじゃなくて、人間の声の力にぞくっとした。
いい。

私、中学のときの合唱が大好きだったんだけどそれを思い出した。
けっこう皆合唱は面倒くさがって、ぼそぼそっと、あるいは普通に話をする程度の声でしか歌わないんだけど、それでも数が集まるとけっこうなものになるじゃない。
卒業式の千人以上の全校生徒で歌うのなんて、ホント、大好きで。何回でも練習したかったなぁ。
なんてことを思い出した。

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